部屋を涼しくする方法 エアコンなしでも、賢く節約 今年の暑さ対策
更新日:2024年8月2日
部屋を涼しくする方法は、なによりもまず外部から入る熱を遮断すること。シンプルながらも心強い暑さ対策である「熱の遮断」について、ポイントやアイデアを詳しく紹介します。
年々暑くなる夏に、高騰する電気代。エアコンなどの家電で消費する電力を少しでも抑えるにはどうしたらよいのでしょうか。部屋が暑くなる仕組みや具体的な対策、効率的に涼しくする方法などを紹介します。
暑さによる体調不良を未然に防ぎつつ、電気代の節約にもぜひ役立ててくださいね。
日本の夏は年々暑くなっている?!
細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均値、直線(赤):長期変化傾向。
基準値は1991〜2020年の30年平均値。
気象庁によると日本の夏(6〜8月)の平均気温は年々上昇し、100年で1.25℃の上昇が認められています。さらに、基準値(1991年から30年間の平均気温)との偏差は+1.76℃を更新。これは統計開始以来最も高い数値です。
近年の夏の暑さは決して気のせいではなく、ますます深刻になっています。統計上さらなる気温上昇も免れないとされているため、今後も引き続き夏の暑さ対策が必須です。
出典:気象庁 日本の年平均気温
屋内熱中症に要注意
消防庁によると、5〜9月の時期に熱中症で救急搬送される人は毎年4〜5万人にのぼります。酷暑となった2018年は、なんと9万人以上の人が熱中症によって搬送されました。※1
特に気をつけたいのが屋内での熱中症です。日本救急医学会によると、スポーツや肉体労働中など屋外での発症に対し、日常生活である屋内での発症は2倍以上という結果に。
さらに、屋内での発症と入院例を年齢別に見ると50代以降、特に70〜80代の後期高齢者層の割合が格段に上がっています。
「熱中症=屋外で発症するもの」という考えは改め、屋内でも涼しく快適に過ごすことを心がけましょう。高齢者と共に暮らす家庭では特に配慮が必要です。※2
参照:
※1)消防庁「令和5年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況
※2)環境省「熱中症 環境保険マニュアル2022」
「熱中症 環境保険マニュアル2022」図2-4 発生場所別 熱中症入院例
でも電気代はなるべく抑えたい
7月に請求される電気代(2024年6月使用分)は、全国の大手電力会社10社すべてにおいて前月から値上がりしました。政府が2023年1月使用分から開始した「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が、2024年5使用月分をもって終了したことが主な要因です。これまで補助されていた分が上乗せになることで、各家庭の月々の電気代負担は大きくなります。特にエアコン使用量が増える夏は対策が必要です。
経済産業省エネルギー庁によると、夏の家電による消費電力は34.2%でエアコンが最も高い割合を占めています。しかし、エアコンをまったく使用しないのは熱中症につながる恐れがあるため、ほかの家電や冷感アイテムを併用して電気代を抑えられるよう工夫しましょう。
家、部屋が暑くなる条件とは?
参照:一般社団法人 日本健在・住宅設備産業協会「Q9 開口部からの熱の出入りはどのくらいあるのですか?」
夏の日中は屋根や外壁、特に開口部(窓など)から多くの熱が流入し、部屋の温度が上がります。戸建や集合住宅、建物の構造によっても異なりますが、マンションなどに多いRC構造は特に熱がこもりやすいのが特徴です。適切な暑さ対策をするためにも、家の中で特にどんな場所が暑くなりやすいのか把握しておきましょう。
参照:一般社団法人 日本健在・住宅設備産業協会「よくある質問 Q9」
2階や3階、ロフトなどは階下から熱や湿気が上がって蒸し暑くなりがち
空気の性質上、熱気は上へ、冷気は下へたまります。そのため、上階やロフトは下階に比べて温度が高くなりがちです。戸建や集合住宅の最上階の場合は、屋根からの熱も加算されます。
さらに温度の上昇によって空気が含む水蒸気量も増し、熱い空気はより湿気を帯びて蒸し暑くなるという悪循環が発生します。
西日の当たる部屋、狭く窓のない部屋
西日は特に熱いイメージがありますが、午後になると、部屋は長い日照時間をかけて温められた屋根や外壁からの熱によって温度が上がります。そこに、さらに西日が差し込むことでより暑く感じるという場合もあるようです。
また、空気が循環しにくい密室も熱くなりやすい場所です。狭い部屋や窓がないトイレなどで過ごすときは注意しましょう。
部屋の暑さ対策、節約ポイントの基本
部屋の暑さ対策は、高温の外気や日差しが流入するのを防ぎ、空気を循環させることが重要です。まずは、熱が流入しやすい開口部(窓など)からの日差しを遮断しましょう。日が強く差し込む時間帯はカーテンやブラインドなどを閉めることで対策できます。
天井や壁、床などから入る熱は一旦換気して空気を循環させるとよいでしょう。扇風機やサーキュレーターを窓に向けると熱気を逃しやすくなります。風が抜けることで、天候や時間帯によってはエアコンなしで過ごせる場合も。エアコンをフル稼働させる前のファーストステップとして取り入れることで、電気代が気になる季節の節約やエコにつながります。
部屋の暑さ対策の基本は、
・日差しをなるべく入れない
・空気を循環させる(熱をこもらせない)
・冷感アイテムなども併用する
これらの対策で、体感温度はぐっと下げることができ、体感温度を下げられれば、エアコンにかかる電気代を押さえることができます。
優秀家電で暑い部屋を涼しくする賢い方法
まずは、部屋の温度を下げるのに、活躍する各家電。エアコンの上手な使い方や、今後ますます活躍の機会がありそうな扇風機、サーキュレーターや冷風扇について、それぞれの特徴などをご紹介します。
エアコンは上手に活用しよう
暑い夏に大活躍のエアコン。ちょっとお手入れ、対策でぐっと運動性能があがります。
エアコンのフィルターはきれいに掃除しましょう。
資源エネルギー庁が運営する省エネポータルサイトでは、フィルタ―を月に1回か、2回掃除した場合、年間で990円の電気代が節約できるというデータが出ています。※
室外機の吹き出し口にものをおいていると、冷暖房効果が下がります。室外機の周りをクリーンに。
日当たりの良い場所に室外機がある場合は、遮熱しーとやカバーなどを着けると省エネにつながります。
エアコンは年々進化をつづけており、古いエアコンに比べて消費電力を抑えたモデルが次々に出ています。
一般的にエアコンの寿命は10年程度と言われています。
修理しながら使い続けるより、思い切って新しいモデルに買い換えたほうが、電気代は抑えられ、自治体によっては省エネエアコンの買い替えに補助金が出るところもあります。
※資源エネルギー庁「省エネポータルサイト:無理のない省エネ節約」
やっぱり頼りになる扇風機
古くから多くの家庭で使われてきた扇風機は現代の酷暑でも大活躍。風量調節やタイマー機能、静音設計など多機能な商品も増えています。
比較的安価で手に入る点も魅力的ですね。
急激に冷えすぎることもないため、夏の外気と部屋の気温差が苦手な人にとっても重宝する家電でしょう。
エアコンに比べて電気代が格段に安いほか、エアコンとの併用で消費電力を抑えられるのも魅力です。エアコンは、設定温度を1℃上げると消費電力を約13%抑えられます。首を上向きにした扇風機をエアコンの風下に置いて冷気を循環させれば、設定温度を上げても部屋全体が効率よく冷やされます。ぜひ扇風機を活用しましょう。
扇風機をチェック
エアコンがない部屋は、サーキュレーターを活用
涼しさを目的として近距離にやわらかい風を送る扇風機に対し、サーキューレーターは空気のかくはんを目的として比較的強い直線的な風を送ります。
そのため、本来の用途以外に洗濯物を室内で乾かすときにも便利なアイテムです。天井照明と一体になっているサーキュレーターは、狭い部屋や、ペットを飼っていて電化製品を床に置くのが心配な人にも適しています。
サーキュレーターを見る
冷風扇はエアコンより自然な涼しさ
冷風扇は、室外機を設置することなくエアコンのように冷たい風を送ることができる家電です。エアコンに比べ電気代もかかりません。扇風機だけは暑いもののエアコンでは冷えすぎてしまう人や、エアコンの消費電力を減らしたいという人は活用してみるとよいでしょう。
またエアコンと違い部屋に取り付けるのではなく、自分がいる場所に移動させられるのも、メリットの一つです。
ただし、天候や使用する部屋によっては注意が必要です。冷風扇は、本体に入れた水が蒸発するときの気化熱を利用して冷風を送り出します。そのため、湿度が高い日や湿気がこもりやすい部屋での使用は避けたほうがよいでしょう。
扇風機・サーキュレーター
暑さの入口 窓の日差し・熱対策 グリーンカーテンにチャレンジ
既述のとおり、部屋の暑さを左右するのは主に開口部(窓など)から流入する熱です。夏の日中は熱の約7割が窓から流入するとされています。つまり、部屋を涼しくするためには、窓からの日差しや熱気をいかに遮れるかが重要です。部屋や家の造りにより適した遮熱アイテムを選びましょう。
窓から熱気をいれないカーテンを選ぶ
遮熱・断熱機能のあるカーテンは、日差しや熱気を遮ることで紫外線対策や冷房効率アップにも期待でき、家財や床などの色あせ防止にも役立ちます。遮熱・断熱カーテンには日差しを反射するミラーレース素材でつくられたものが多いため、外から見えにくくなりプライバシーを保護できるのもうれしいポイントです。
遮熱・断熱・保温レースカーテン
日除けやシェードで日差しをいれない
部屋の外側に設置できる日除けアイテムとしては、オーニングやシェードなどがあります。
軒先やベランダに張り出すように設置する日除けがオーニングです。ちょっとした日陰スペースをつくりたい場合や、急な雨を気にせず洗濯物を干したいときにも重宝します。
シェードは、窓の上部からスクリーンをななめに下ろして固定する日除けアイテムです。風は通して日差しや目線はしっかり遮ります。ベランダのみで使用する場合は、物干し竿に通すだけの遮熱カーテンもおすすめです。衣類の色あせ防止や目線隠しにもなります。
このほか、昔ながらのすだれやよしずもおすすめです。ほどよく日差しを遮ることで暗くなりすぎず、風通しや断熱性に優れています。
オーニング・屋外用カーテン
グリーンカーテンでエコなのに、見た目も涼しく
つる性の植物を育てて日除けにするグリーンカーテンは、プランターに支柱を立て、シェードのように張ったネットを這うようにつるを育てることで完成します。
花を楽しみたい人はアサガオやトケイソウ、実の収穫を楽しみたい人はゴーヤやツルムラサキなどがおすすめです。5月末〜6月中旬頃の植え替えがベストですが、なかには7月上旬でも間に合うものもあります。まずはフェイクグリーンのカーテンから始めてみるのもよいでしょう。
エアコンなしで節約 体感温度を下げ涼しくするには?
ここまでは比較的広い範囲を冷やす方法やアイテムを紹介してきましたが、さらにパーソナルスペースを涼しく保つアイテム紹介します。
ネッククーラー
首を冷やすことで、身体の熱を効率よく取ることができます。簡易的なものは100均などでも見かけるようになりましたが、保冷性や耐久性を考慮して選ぶようにしましょう。
冷風が出るタイプや水にぬらして振るだけのタイプ、自然凍結するネックリングなど、セシールでは価格帯や用途に合わせてさまざまなネッククーラーを展開しています。
ネッククーラー
ハンディファン
街で持ち歩いている人も多くなってきたハンディファン。
冷却プレートによって冷風を送るタイプや、前後2重に回転するファンで大風量を送るタイプなど、ただの小型扇風機とは言えない高機能な商品が登場しています。軽量化や連続使用時間の長さ、シーンを選ばないカラーラインナップなどもポイントです。
ハンディファン
夜、寝苦しい時は寝具を一工夫
寝るときの暑さには冷感素材の寝具を取り入れてみましょう。
熱伝導の高い生地によって熱を逃しやすいベッドシーツや、天然キシリトールを繊維加工した吸水冷感パッドなどが人気です。汗をかきやすい頭部や首元もひんやりさせる、冷感枕カバーも併用するとよいでしょう。吸汗性の高いパジャマや下着もおすすめです。
冷感寝具カバー
こんなときどうする?部屋を涼しくするときのよくある疑問
部屋を涼しくするために、みなさんがお悩みの質問にお答えします。
Q:除湿と冷房どちらが電気代はかからない?
A: 消費電力は、部屋の温度と設定温度の差によって変動します。使用している除湿機能の種類や使用状況にもよるため、一概にどちらが安いとは断定できません。
弱冷房除湿とは冷房と同じ仕組みで室内の空気を冷やして湿度をとりますが。出来るだけ温度を下げずに湿度を下げる機能です。
再熱除湿は、室内の空気を取り込んで急激に冷やし湿度を取った後、冷えた空気を再加熱して室内に吹き出します。
東京電力の調査では、設定温度24度の時にかかるコストは
・冷房 11.0円/h
・除湿(弱冷房除湿) 4.1円/h
・除湿(再熱除湿) 14.9円/h
となっています。
お使いのエアコンの除湿機能が、弱冷房除湿なのか、再熱除湿なのか、あるいはハイブリッド、切替が可能なのかを確認をしましょう。
一旦部屋の温度・湿度を冷房で下げ、ある程度下がってきたら、弱冷房除湿に切り替えるのが省エネにつながると言われています。
参照:東京電力ホールでイングス「『エアコンの「冷房」と「除湿」の上手な使い方』について」
Q:外出中はエアコンをつけっぱなしにしたほうが電気代はかからない?
A:電気代を抑えるために、エアコンはつけっぱなしの方が安いか、こまめに入り切りしたほうが安いかというのはよく聞かれるテーマです。
まずエアコンの消費電力が多くなるのは運転開始直後、特に外気温とエアコンの設定温度の差が大きい場合ということを理解しましょう。
日中は外気温が高いので、こまめにエアコンを切るよりもつけっぱなしの方が、電気代を抑えられるという実験結果もあります。※
一方、外気温が下がる夜間帯はこまめに切る方が消費電力を抑えられる場合もあります。
また、エアコンを使うのは、体感温度を快適にすることが目的です。
一日中在宅しているのであれば、つけっぱなしにしておく方が電気代を押さえられるようです。また日中ちょっとした外出で出入りするだけなら、同様につけっぱなしの方が電気代を押さえられるかもしれません。
しかし、日中はほぼ外出していて、夜間帰宅するのであれば、帰宅時に窓を開けて空気を入れ替え、室内の熱気を排出してからエアコンをかける方が電気代は抑えられるでしょう。
※ダイキン工業 「つけっぱなしがお得という説は本当なのかを検証せよ!!」
Q:寝るときはタイマーをセットしたほうがよい?
A: タイマーをセットして、朝まで熟睡できるのであれば、セットしたほうが良いでしょう。切タイマーは3時間に設定しておくと、入眠直後の深い眠りを確保しやすいという意見もあります。
ですが、最近は寝苦しい夜も増えています。エアコンが止まってしまい、暑さのためになんども目覚める。目覚めるたびにエアコンを入れる、夜間の電気代は日中に比べ安いので、つけっぱなしよりこまめな入り切りの方が電気代を押さえられると言われても、何度も目覚めて、なかなか寝付けないのであれば、疲れも取れません。寝不足は熱中症のリスクも高めます。気温と自分の睡眠状況を見比べて時にはつけっぱなしで寝ても良いと思います。
とはいえ、冷え過ぎも体に悪いので、一晩中つけておく場合は、夏の眠りに適しているとされる温度28度、湿度50〜60%の設定がおすすめです。
Q:なるべくエアコンを使いたくない。どうすればいい?
A:本記事で紹介した日除けアイテムで部屋の温度を上げない工夫や、冷感アイテムを活用してください。
高齢者の場合体温調節機能が低下して、暑さを感じにくくなります。乳児のいるお宅では、暑さをうまく伝えられないかもしれません。
屋内での熱中症を防ぐためにも、家族みんなの健康を考えて適、温度や体調によっては適宜エアコンを使用することをおすすめします。
Q:ペットがお留守番、温度調節どうしてる?
A:ペットの種類によって快適な温度は異なります。まずは適切な温度を知り、一定に保てるよう、エアコンをつけっぱなしにしている人も多いようです。 熱中症のリスクは動物も例外ではないため、ペットの様子や体調をよく観察することが重要です。
ちょっとの工夫で気分だけでも涼しく
日除けや冷感グッズに加えて、打ち水や風鈴、ハッカ油の活用も手軽にできる工夫です。年々厳しくなる夏の暑さと電気代の高騰を乗り切るためにも、早速暑さ対策を始めましょう。
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